ピアノやギター等、楽器を自宅で演奏する時は隣人との音トラブルに要注意。賃貸物件で楽器を演奏したいなら、「楽器可」物件を探して住むのが必須です。しかし、音に関わる近隣トラブルは増加の傾向にあり、楽器演奏が可能な賃貸住宅は少なくなっているのが実情です。
楽器演奏が可能な物件はどのエリアにある?探し方は?
東京都内とその周辺において、「楽器可」物件が多いという特定のエリアはありません。あえて絞るとすれば、音楽大学等の音楽関連施設の周辺が比較的見つけやすい場所と言えます。楽器演奏ができる物件は、場所で探すよりも建物の構造を基準に選ぶのがポイントとなりそうです。例えば、壁がコンクリートの建物のなら音が外に響きにくく、貸主と相談すれば許可される可能性が高い、と判断できます。隣家に音が響きにくいという点では、戸建て住宅は比較的に許可されやすい物件です。マンション等の集合住宅は隣室に音が響きやすいので制限が多く、条件をクリアする難度は上がります。いずれにせよ、「楽器可」というのは防音室を備えた物件というわけではないのが大半です。契約の規定に従い、且つ、近隣に配慮することを前提に演奏できる物件を探すことになります。
不動産会社に物件探しを依頼する時の注意点
通常、「楽器可」の物件であっても貸主との相談の上で演奏可・不可が決まります。楽器の種類によっては認められない等の諸条件があるため、物件探しを依頼する際には、詳細を伝えておく必要があります。
物件探しの際に伝えておくべき事は;
楽器を演奏すること
賃貸契約した後に楽器を演奏することが判明するとトラブルになりがちです。
子供が習い事でピアノをちょっと練習するだけ、という場合でも、借りたい部屋の条件として伝えておく必要があります。
演奏する楽器
ピアノ、弦楽器、管楽器、打楽器、あるいは電子楽器か否か等、楽器によって演奏可・不可が決まります。
東京都内では賃貸物件は集合住宅が大半となり、音が響きやすい弦楽器はNGというケースが少なくありません。
楽器のタイプ
ピアノの場合、アップライトピアノはOKでもグランドピアノは不可という場合があります。グランドピアノは演奏よりも床の耐荷重の問題で不可になる可能性があります。部屋・建物への搬入搬出ができるか否かも判断基準です。
防音対策の有無
ヘッドホンを使用して演奏できる電子楽器の場合は、音量調整やヘッドホンなどを利用して無音にできない楽器よりも許可されやすい条件になっています。
演奏時間の「度合い」
長時間の演奏が伴うプロの音楽家や音大生の場合、相応の防音対策が施された物件を探す必要がでてきます。
通常、許可されている物件であっても演奏する時間帯に制限があります。(例:朝8時前、夜8時以降は演奏不可)また、近隣から苦情が出た場合は改善する必要があります。
賃貸契約の注意点
契約書、重要事項説明書、建物管理規則のいずれかには、楽器演奏(騒音)に関する条件が記載されています。借主は記載の規定を順守して楽器を演奏することとなります。
賃貸契約を結ぶ際には音に関する規定をよく確認することをお勧めします。
退去時の原状回復を忘れずに。
ご自分で床や壁に設置した防音材等および自分で補った防音設備は退去時に撤去する必要があります。
隣人との音のトラブル解決方法
音・振動を不快と感じる感覚は人それぞれで異なるため、規定に従って演奏していても近隣から苦情が出てしまうことはしばしあります。トラブルになってしまった場合は、管理会社又は貸主が間に入ることもありますが、基本的に当事者同士で話し合い、折り合いをつけて解決することが大半です。しかし、その後の生活でご近所との関係がぎくしゃくしてしまうことは出来れば避けたいものです。先ずはトラブルが発生しないように、事前に防音対策やご近所に演奏する時間帯などの相談をしておくことが大切です。トラブルが発生してしまった場合にも、防音対策をしている・していないでは、苦情を伝える側の心境が大きく変わることも考慮したいところです。
トラブル回避の対策は・・
- 演奏してよい時間帯を取り決める
- 窓を開けて演奏しない、防音カーテンをつける
- 壁に防音材を設置する
- 楽器に振動防止ゴムを取り付ける、振動防止シートを床に設置する
ピアノは鍵盤を叩く音やペダルを踏む振動が思いのほか響きます。マンションの場合は下の階に振動が伝わりがちです。 - ピアノは壁からできるだけ離して設置する
- 楽器にミュートを装着する
- ヘッドホンを使って演奏する
- 音楽スタジオを借りる、楽器演奏OKのカラオケ店に行く