人との待ち合わせや荷物の積込み等、短時間どうしてもクルマを駐車しなければならない時に助かるのが路駐パーキングです。路上で直ぐに駐車でき、クルマの移動も速やかにできます。しかし、路駐パーキングはやむを得ない駐車のために許可される一時的な駐車スペースであり、法令に従って利用しないと駐車違反になってしまいます。どの地域でも利用できるというものでもないので、使用方法と利用できる場所を事前に知っておく必要があります。
路駐パーキングとは
路駐パーキングとは公共の道路上に設けられている駐車スペースです。正式には「時間制限駐車区間」であり、交通法により条件付きで駐車が許可される区間のことです。路肩に沿って設けられた白線の枠が路駐パーキングのスペースであり、その脇に立つ料金徴収機が目印になることから、その名称“パーキング・メーター”で呼ばれることもあります。
東京都内の場合、路駐パーキングで駐車が認められる時間は通常60分間です。(20分、40分の場合もあり。)料金は手数料として300円が徴収されます。支払いは前払いです。クルマを白線内に駐車して料金を支払うと指定時間内での駐車が認められるしくみです。
路駐パーキングのタイプと使い方
現在、路駐パーキングの料金徴収機には「パーキング・メーター式」と「パーキング・チケット式」の2タイプがあります。基本的な使用方法とポイントは以下にまとめた通りです。
詳細については警視庁のウェブサイトに詳しい説明があり、そちらが参考になります。英語をはじめ、中文(簡・繁)、韓国語、スペイン語のページもあり、とても分かり易いです。
パーキング・メーター使用方法と注意事項
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/hairyo/tadashi_pking/shiyohoho.html
パーキングインフォメーションガイド(多言語ガイド)
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/hairyo/tadashi_pking/info.html
パーキング・メーター式
パーキング・メーター式は都心部でよく見かけるタイプです。白線の駐車スペースの脇にパーキング・メーターが立っています。支払いには100円硬貨のみが使用可能です。メーターには新旧で異なる機種がありますが使用方法はいずれも同じです。新機種には英語の説明が併記されています。
(利用方法)
白線内にクルマを駐車する。
・パーキング・メーターの表示が「0分」になっている事を確認してから駐車。
・1つの枠内に収まるように駐車。大きな車両が二枠またいで同時使用するのは不可。
↓
パーキング・メーターがクルマを感知したら、料金分の硬貨を投入する。
・料金の支払いには100円硬貨のみが使用可。
・領収証が必要な場合は「領収書発行ボタン」ボタンを押す。
↓
制限時間内に用事を済ませて戻り、クルマを移動する。
・制限時間を過ぎると駐車違反になるので注意。延長はできません。
パーキング・チケット式
路駐パーキング付近の歩道に緑色の発券機が設置されており、そこで手数料を支払うシステムです。使用するにはクルマを駐車してから発券機まで行き、料金を支払ってチケットを入手します。パーキング・チケット式の場合はチケットが駐車許可の証明になります。
(利用方法)
白線内にクルマを駐車する。
・1つの枠内に収まるように駐車。大きな車両が二枠またいで同時使用するのは不可。
↓
歩道にある発券機で支払い(チケット購入)。
・料金の支払いには1000円紙幣、500円、100円硬貨が使用可。
・チケットに駐車可能な時間が印刷される。
・チケットの一部は領収証になっている。
↓
クルマに戻り、車内の前方(フロントガラス)の見やすい位置にチケットを掲示。
・チケットの提示がないと駐車違反になります。
↓
制限時間内に用事を済ませて戻り、クルマを移動する。
・制限時間を過ぎると駐車違反になるので注意。延長はできません。
路駐パーキングの見つけ方
路駐パーキングがある場所は主に都心の中心部です。オフィスビル街や繁華街近くの通りやなど、限られた地区に集中しています。道すがら簡単に見つかるというものではないので、事前に場所を知っておきたいところです。
路駐パーキングの場所を調べるには、警視庁のウェブサイト「時間制限駐車区間 案内地図」が便利です。このオンラインマップは英語、中文(簡・繁)、韓国語、スペイン語での表示が可能です。拡大表示して青/緑色の線をクリックすると利用可能な時間帯などの詳細が表示されます。青色と緑色で区別されているのは利用できる日(日曜・休日)が異なるためです。
時間制限駐車区間 案内地図
https://parkingmeter.jp/
利用できる時間帯・条件
通常、路駐パーキング(=時間制限駐車区間)に駐車できる時間帯は指定されています。例えば、時間制限駐車区間を示す交通標識 “P”の上部に、「9-19」と記されている場合は、「9時~19時の時間帯にパーキング・メーターが作動しており、料金を払えば最長で60分間だけ駐車が許可される。」という意味になります。
また、場所によっては補助標識で除外日等の条件が補足されることがあります。下の例なら日曜・休日(祝祭日)と1月1~3日を除いた日なら、9時~19時の時間帯に利用できるという表示です。
利用できない時間帯・条件外の駐車はどうなる?
路駐パーキングを使用するにあたり、知っておきたいのが指定の時間帯または日にち以外での駐車についてです。注意しないと駐車違反になることがあります。また、条件次第では時間制限駐車区間であっても徴収なしで駐車できる場合もあります。
ここで留意すべきは駐車禁止の標識が併設されているか否かです。下の例のように駐車禁止と時間制限駐車区間の標識が併設してある場合、駐車が認められる時間帯以外(路駐パーキングが利用できる時間帯以外)に駐車すると駐車違反になってしまいます。
しかし、補助標識によって補足の条件が提示されている場合は、駐車違反にならないこともあります。しかも、時間制限駐車区間の標識で規定されている時間帯でなければパーキング・メーターが作動していないので料金の徴収なしに駐車できます。
例えば下のイメージでは、駐車禁止の補助標識に「日曜・休日を除く」とあるので、該当日に駐車しても駐車違反になりません。さらに、時間制限駐車区間の補助標識で「日曜・休日と1月1~3日を除いた20時~翌日8時」とも規定されているので、日曜日と休日(祝祭日)は料金の徴収なしに合法的に路駐パーキングのスペースに駐車できます。このようなパターンは、都心からやや離れた公園等の公共施設の近くで見かけることがあります。
しかし、2つの標識で補足条件がある場合、かなりややこしいものもあるので注意が必要です。読み間違えて判断ミスをすると駐車違反になりかねません。
例えば上のイメージが難解なパターンです。オフィス街や繁華街の裏通り等、細い道ではこのような細かな規制がありがちです。注意ポイントは、補足標識にある「日曜・休日の」と「日曜・休日除く」にある“の”と“除く”の違いで意味が大きく変わる点です。
ここにある2つの標識が意味するのは:
「日曜・休日(祝祭日)の8時~正午までは駐車禁止の区間。」
「日曜・休日(祝祭日)と1月1~3日を除き、8時~20時の時間帯では手数料を払って路駐パーキングに駐車すること。制限時間60分間まで。」
となります。
これをまとめて解釈すると:
・日曜日と休日(祝祭日)は深夜0時~朝8時と昼12時~翌深夜0時の時間帯は駐車違反にならずに路駐パーキングに徴収無しで駐車できる。
・週日・土曜日の21時~翌朝7時までは駐車違反にならずに路駐パーキングに徴収無しで駐車できる。」
と、なります。
しかし、そもそもの交通規制で長時間の駐車はもちろん、道路の曲がり角や消火栓から5m以内の場所では駐車禁止なので、道路交通法をチェックしつつ注意深く判断することを強くお勧めします。判断が難しい場合、路駐パーキングは基本的に有料と理解して利用するのが安心かもしれません。
Information
警視庁ウェブサイト
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/index.html
道路交通法・東京都公安委員会規則
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/menu/ho_kisei.html