日本では度量衡の単位系にメートル法が採用されています。北米から日本に来た人はメートル法のサイズ感に最初は戸惑うかもしれませんが、目安の数値さえ覚えてしまえば生活上で不便はありません。サイズ感がつかめてくると東京・日本への親しみも増すかもしれませんね。例えば東京タワーは333 mでフィートなら1093 ft、富士山は高さ3776 mで12388 ft等々。いずれも東京・日本のシンボル的な存在で、多くの日本人が当たり前のようにその高さを知っています。
日本ではメートル法の他に独自の伝統的な単位もあり、現在でも使用することがあります。日常生活で使用する場面が意外と多いので知っておくと便利です。ここでは、日本での生活でよく使うメートル法と日本独自の単位の換算値をまとめてあります。各表内の数値は端数を四捨五入したおおよその値です。様々な場面を想定した目安のヒントと併せ、サイズ感をイメージする参考にお役立てください。
広さ・面積
日本では住宅の面積は平方メートルで表示します。また、部屋の広さは畳の枚数で表すことがあります。日本人にとっては、例えば、「この部屋は畳6枚分の広さ」という表現が平方メートルよりもサイズ感が分かり易くなります。畳は地域によってサイズが若干異なりますが、畳一枚の大きさは約1.62㎡です。平方メートルのサイズ感はバレーボールのコート1面(18m×9m)が約162㎡=1744 sq ft を目安にイメージできます。
土地の広さには「坪(つぼ)」という単位が使われることがあります。1坪は3.3平方メートル、畳で2枚ほどの大きさです。年配の日本人にとっては平方メートルよりも坪数で広さを表す方が一般的です。この「坪」での広さ表現は、通訳ガイドを悩ませることしばしです。例えば、いきなり「この農園の広さは2000坪です。」という案内を平方メートルやフィートで即座に訳すとなった際、なかなかのパニックに遭遇します。目安としてサッカーピッチ(約7140 m²)が約2157坪というイメージで覚えておきたいところです。
広大な土地をサイズ感の表現には、東京の文京区にある野球スタジアム「東京ドーム」の広さを例に出すことが多々あります。例えば「この森林公園はおよそ東京ドーム20個分の広さです。」という表現です。東京ドームの広さは4.7 ha(11.61 ac)とされています。
長さ
衣料品を購入する前に調べておきたいのがサイズです。例えばウエスト80cmならインチでは約31.5 in。換算値を把握していないと、適したサイズが見つかりません。また、日本のSサイズ、Mサイズは自国のサイズと異なる場合があります。欧米のサイズ規格と比較すると日本の規格は小さいことが多いので、その点も要チェックです。
移動距離・速度
日本で販売されている車の速度計は基本的にキロメートル表示です。道路にある制限速度の標示もキロメートル表示になっています。高速道路での速度規定では、速度指定のない区間では普通乗用車の最高速度は100km/h(62.14 mph)、最低速度は50km/h(約31 mph)とされています。
温度
摂氏で表示します。家庭でのエアコンの使用には、体調管理を目的に推奨されている温度が設けられており、冷房が28℃、暖房は20℃となっています。しかし、あくまで推奨なので体調に合わせて調整を。
重さ・体積
料理で使う計量カップは一般的にcc単位です。1ccは1ミリリットルと同等です。日本規格の計量カップは200ccであり、アメリカの規格235ccよりも小さいサイズです。正確な計量が必要なお菓子づくりなどでは、レシピにある使用カップのサイズを確認することをおすすめします。
料理では日本独自の「合」という単位も日常で使われています。「合」は、主にコメを炊く際に使用します。1合のコメの重さは150g(180ml相当)です。日本で主流のジャポニカ米は水と米の比率1:1で炊きます。つまり、1カップのコメは同カップの水1杯で炊く、3カップのコメなら3カップの水で炊く、という具合です。
尚、「合」は日本酒や醤油などの計量にも使われています。1合の日本酒は180ml。居酒屋でお馴染みの注文サイズです。ワインボトルに相当する日本酒の瓶なら、4合入り=720ミリリットルです。Cheers!