Living Guide in Tokyo

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カラスによる被害と対策について|東京での生活

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春から初夏へと続く新緑の季節は、カラスの繁殖期です。4月から6月かけて、カラスは巣の卵やヒナを守ろうと過敏になるため、近くを往来する通行人を攻撃することがあります。街中に住むカラスは街路樹や公園の樹木の上で巣を作ることが多いので、子育ての場所と人との距離がどうしても近くなってしまうのが一因です。そこで、カラスの子育て中に遭遇しがちな被害とその対処法についてまとめてみました。

東京エリアに生息するカラス

東京の都心エリアでよく目にするカラスは、主にハシブトガラス(Jungle crows)です。体長は約57cm (22.4 in.)と、カラスの種類では大型な部類に入ります。東京郊外の農耕地等にはハシボソカラス(Carrion crows)が広く生息しています。ハシボソカラスの体長は約50cm(19.7 in.)であり、ハシブトガラスに比べ僅かに小ぶりです。

カラスは全体重に対する脳の重量比が犬・猫よりも高く、非常に頭が良い鳥として知られています。人の顔や言葉を記憶することもでき、ヨーロッパではペットとして飼育されることもあります。都会で生活するカラスはエサが豊富にあることを知り、余裕をもって生活できるので、他の鳥と違って「遊ぶ」行為をするのも特徴的です。

ハシブトカラス

ハシブトカラス

カラスが子育てをする期間

カラスの繁殖期は3月下旬に始まります。繁殖期に入ると、住宅街に潜むカラスは街路樹や公園、神社の樹木の中に巣を作り、4月末から5月頃に卵を産みます。2週間ほど経つと卵からヒナがかえり、親ガラスは子育てをはじめます。ヒナが巣立つまでは約1ヶ月。4月~6月がカラスの警戒心が最も強くなる時期です。このように巣作りから子育ての段階を踏むごとに、カラスによる被害が発生することがあります。

カラスの繁殖時期に気を付けたいこと

庭やベランダに巣の材料になるものを置かない(3月~4月頃)

カラスは繁殖期に入ると、木の枝などの巣を作る材料を周辺から集めはじめます。住宅街で手に入る、巣作りに使えそうなモノならなんでも集めます。特にハリガネ製のハンガーは巣に適しているようで、カラスに持っていかれるケースが少なくありません。日本では洗濯物をベランダに干す習慣があり、洗濯物を掛けておいたハンガーがカラスに盗まれる、ということがしばしあります。ハンガーに加え、細い棒や紐状のモノは狙われやすいので、庭やベランダに置いておかないようにします。

カラスの巣に近づかない(4月~6月頃)

4月から6月の産卵から巣立ちまでの期間は、親ガラスはヒナを危険から守ろうと過敏になり、巣の周辺を歩く通行人を攻撃することがあります。カラスの攻撃を避けるには、巣に近づかないことが一番です。道を歩いている時に、カラスがくちばしをカチカチ鳴らす音がする、或いは、近くで大きな鳴き声で鳴きだしたら、カラスの巣が近くにあり威嚇されているサインです。遠回りになるとしても迂回して巣に近づかないようにします。迂回が難しい場合は、傘や杖等の長い棒状のモノを頭の近くに立てて持つ、または、両手を耳の横で上にあげると、攻撃されにくくなります。カラスは体の構造上、飛びながらくちばしでつつくという行動ができないため、足を使って攻撃してきます。標的(人の頭)の近くに棒や手があるとカラスは翼が傷つくことを本能的に恐れて足での攻撃を躊躇します。

ゴミ袋をつつくカラス

ゴミ出しルールを守る(通年)

カラスはエサを求めてゴミ集積所を荒らすことがあります。カラスのゴミ漁りは季節を問わず発生し、ヒナを育てる時期には特に多く発生しがちです。しかし、以下のようなゴミ出しの基本ルールとマナーを守っていれば荒らされることは滅多にありません。

ゴミ収集場所には夜にゴミを出さない
カラスは昼行性なのでゴミを夜間に狙うことはしませんが、ゴミを放置しておく時間が長くなると、荒らされやすくなります。夜のうちにゴミ出しをすると、人が少ない早朝にカラスがやって来て長々とゴミを漁ります。ゴミ収集車が来る時間帯を考慮しつつ、ゴミはあまり早く出さないようにします。また、ベランダにゴミ袋を置くのは避けた方がよさそうです。

ゴミ袋の中にある生ごみが見えないようにする
カラスはエサになるゴミを臭覚で探すのではなく、視覚で見分けます。ゴミ袋の中に食べられそうなモノを見つけると袋を突いて破り、ゴミを持ち去ります。食べ物が入っていないゴミ袋はカラスに狙われません。肉の赤身や水気のある魚等の生ごみを捨てる時は、ゴミ袋の奥に入れて外から見えないようにします。

カラス除けネットを掛ける
ゴミ収集場所は、鳥獣侵入防止のゴミ集積ボックスが用意されている場合と、路上付近のスペースを集積所として利用する場合があります。集積ボックスが設置されていない集積所では、カラス除けネットをかぶせて侵入を防御します。ネットがあれば、カラスはゴミ袋を漁ることができません。ただし、ゴミ袋を完全に覆うようにネットをかぶせるのがポイントです。隙間があると、クチバシで袋を破いて中のゴミを引っ張り出そうとします。カラスが嫌う色は特になく、ネットの色は何色でも違いはありませんが、ゴミの中身が見えないような特殊加工された黄色のネットがよく使用されています。

家庭菜園は収穫期をチェック

家庭菜園でトマトやナス等の野菜を育てるなら、収穫時期は要注意です。悲しいことに、最も成熟しておいしくなった頃を見計らってカラスに取られます。良い解釈をすれば、カラスが収穫期を教えてくれるのかもしれません。カラスに狙われないためには、防鳥ネットをかぶせるのが手軽な防御策です。カラスは飛びながらモノを掴むことはできないで、カラスにとっての「足場」を作らないことも対処法になります。地面から近い場所にある果実はカラスに狙われやすいので、早めにとってしまうのがおすすめです。または、おすそ分けという気持ちであきらめましょう。

餌付けをせずに、そっと見守りましょう

もともと農耕民族である日本人はカラスに悩まされた歴史が長く、カラスに対してネガティブなイメージを持つ人が少なくありません。昔、カラスは墓場に現れることが多く、「カラスが鳴くと人が亡くなる」という迷信もありました。好奇心が強く、愛嬌のあるしぐさを見せる等、かわいい側面があるカラスですが、餌付けなどで呼び寄せずに、子育ての時が過ぎるのを静かに見守りたいものです。

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