カーシェアリングはクルマを複数人で共同使用する会員制サービスです。15分・20分という短い時間単位でクルマを利用することができ、24時間いつでも借りられます。例えばショッピングセンターへの買い物等、ちょっとしたクルマの使用に便利です。しかし、他の会員とシェアするシステムならではの注意点があり、利用ケースによってはレンタカーの方が便利になることもありえます。そこで、カーシェアリングの特徴と覚えておきたいポイントをまとめてみました。うまく使いこなすヒントも参考にしてみてください。
カーシェアリング・サービス in 東京エリア
カーシェアリングは東京で広く普及されつつあるサービスです。多くは時間貸し駐車場を運営するサービス会社やレンタカー業者が取り扱っており、東京都23区内とその周辺エリアなら比較的に簡単に見つけて利用することができます。個人が自分のクルマをカーシェアリング用に提供していることもありますが、事故発生時等の契約トラブル防止を理由にサービス会社の仲介を通じて利用するのが一般的です。
東京でカーシェアリングが便利な理由
東京の都心エリアは地下鉄・バス・タクシーが利用しやすい環境になっています。日常では公共交通機関を使うことが多くなるため、人によってはクルマを使用する頻度は高くありません。しかし、東京23区では月極駐車場の使用料が1.5千円~5万円/月であり、地方と比較すると高額です。クルマをあまり使用しない人にとってはカーシェアリングの方が経済になります。また、個人がクルマを所有するには車庫証明の取得や自賠責保険の加入、自動車税の支払い等の煩わしさがあることが、カーシェアリングが選ばれる理由のひとつにもなっています。日本に一時滞在している外国人居住者の立場では、クルマ所有に係る煩雑な手続きが不要という面が大きなメリットです。
カーシェアリングの特徴
カーシェアリングはクルマを借りるという行為そのものはレンタカーに似ていますが、料金体系等の様々な違いがあります。使用目的によってはレンタカーの方が経済的になる、あるいは、自家用車を所有した方が便利なこともあるので、先ずは比較検討するためにカーシェアリングの特徴を知っておきたいところです。
利用するには会員になる
カーシェアリングは会員制です。利用者は事前に会員登録する必要があります。登録する際には日本の運転免許証*(デジタル画像)、クレジットカード、携帯電話が必要です。会員には個人・法人として登録することができます。サービス会社によっては会員登録に初期費用1,000円~2,000円が掛かる場合があります。また、月額基本料金として月会費が必要・不要という違いもあります。サービス会社によっては月会費額無料・有料で選べる場合もあるので、登録時には要チェックです。
カーシェアリング・サービスのウェブサイトは日本語版のみがほとんどですが、ブラウザーの翻訳機能で英語化すれば内容を理解することは可能です。登録手続きに不安がある場合は日本語が分かる人にサポートしてもらうと安心です。
*国際運転免許証では登録できません。
予約を入れて使う
クルマを使用するには、会員になったカーシェアリング会社のウェブサイト/アプリ上で先ずは予約をします。タイムテーブルから希望の日時で利用できるクルマを探して予約を入れるしくみです。
短い時間単位の料金設定
料金体系はサービス会社ごとに異なりますが、一般的に10分、15分といった時間単位で借りられます。料金は15分毎の単位で165円~400円が目安です。傾向としては、月会費が掛かるサービス・プランほど料金設定は低めです。
カーシェアリングは基本的に短時間の利用に適したサービスですが、十数時間~数日の利用も可能です。通常、6時間以内は分単位(例10分、15分)での料金が適用され、それ以上は6時間、12時間、24時間単位のパッケージ料金になっています。料金の目安は、6時間で4,000円~5,000円、12時間で5,800円~7,000円です。パッケージ単位の貸し出しは長距離の移動が見込まれるので、サービス会社によっては16円~22円/1km毎の距離料金が加算される設定になっています。
利用料金にガソリン代が含まれている
カーシェアリングの利用料金にはガソリン代が含まれています。これは、レンタカーと異なる点です。クルマを使用中にガソリンスタンドでの給油が必要になった際には、車内に備えられている給油カードを支払いに使えます。給油カードは洗車料金の支払いにも使用できます。
利用料金に保険料が含まれている
ガソリン代と同様に保険料金も利用料金に含まれています。ただし、会員である運転手のみに適用される保険です。例えば、会員である貴方がクルマを借り、友人が運転して事故を起こした場合には、保険は適用されません。事故が起きた場合に備え、カーシェアリングの会員になる段階で保険の適用内容を理解しておくことをおすすめします。
24時間いつでも借りられる
クルマの予約はネットで完結し、返却の際には窓口に出向く必要がないため24時間いつでも利用することができます。
満タン返し不要
レンタカーの場合は利用料金にガソリン代が含まれておらず、クルマは満タンにして返却しなければなりませんが、カーシェアリングでは給油して返却する必要はありません。
クルマは借りたステーションに返却する
カーシェアリングで借りたクルマは、必ず借りたステーションに返却します。同じ系列会社のステーションならどこでも返却できるというものではありません。この点もレンタカー・サービスとの違いになっています。
スタッドレスタイヤが装備されていることもある
冬季に路面が凍結しがちな地域では、スタッドレスタイヤを装備したクルマを使用できることがあります。
※地域限定です。利用の前に確認を。
カーシェアリングの注意点
マイカー代わりに使えそうなカーシェアリング。しかし、シェア利用ならではのデメリットも考えられます。会員がお互い気持ちよく利用するための基本ルールもあるので、注意すべき点をよく理解した上で活用を検討してください。
● 日本の運転免許証が必要
国際免許証では会員登録できません。日本の運転免許証を取得している必要があります。
● 利用できるクルマを探して予約をしなければならない
専用ステーションに待機しているクルマの台数は1~5台ほどであり、予約の状況次第では希望する場所・時間帯に利用できないこともありえます。
確実に予約するためには、早めの予約が理想です。また、近場にあるステーションを幾つか見つけておき、各サービス会社の会員になって使い分けるといった工夫が必要です。
● 固定費が掛かる場合がある
サービス会社によっては毎月1,000円ほどの月会費が掛かる場合があります。あまり利用しない人にとっては好ましくない固定費です。しかし、月会費として支払った分は利用料金に充てることができるので、毎月利用する人にとっては実質的には月会費が無料になります。例えるなら、1ヵ月限定の利用料金をカーシェアリング用プリペイドカードにチャージして使用する、というイメージです。
毎月乗るほどではないという利用者には、月額0円のプランや月額が一切かからないサービスが選択肢として用意されています。使う頻度に合わせてサービス・プランを選ぶようにしたいところです。
● 次の利用者のために予約時間内に必ず返却
カーシェアシェアリングを使用する際には利用時間を予約の段階で指定し、時間内に必ず返却する必要があります。渋滞に巻き込まれる等、不測の事態で時間オーバーになってしまうと、次の利用者に迷惑をかけてしまいます。
● 使用したクルマは借りたステーションと同じ場所に返却する必要がある
例えば、引っ越しで片道のみクルマを使う、あるいは、家から空港まで移動したい、という利用目的の場合にはカーシェアリングは不向きです。レンタカーなら追加料金を支払えば東京で借りて名古屋で乗り捨てる、ということができるので、目的に合わせて適宜に使い分けて利用します。
● 清掃が行われていないことがある
レンタカーは返却毎に清掃が行われますが、カーシェアリングでは掃除は無いままの状態です。その為、前の利用者の使い方が悪ければ車内にゴミが残っていたり、ボティ表面が汚れていたりする可能性があります。定期的に清掃は行われるので、ずっと汚れた状態が続くわけでありませんが、それでも汚い状態のクルマに当たってしまう場合もあります。
カーシェアリングでは会員が互い気持ちよく使えるよう配慮することが重要です。車内を食べ物で汚さない、ゴミは利用後に持ち帰るなど、エチケットを守る行為が求められます。
● ペットの同乗は不可のケースがほとんど
現在、ペットの同乗が可能なカーシェアリング・サービスは無いのが実情です。(2021年2月現在)ペットをそのまま乗せることはもちろん、ケージに入れた状態でも同乗NGとなっています。理由としては、車内の汚れ防止や他の利用者のアレルギー発症といったトラブル回避が考えられます。動物アレルギーがある方は、ペットの同乗が禁止なので安心して利用できる反面、ペットと同乗したい人にとっては残念な状況です。一部サービスではペットの同乗を検討しているので、借りたクルマにペットと一緒に乗れる日は遠くないかもしれません。それまで待てないという場合は、マイカーの購入が選択肢になりそうです。
● 車内での喫煙はNG。電子タバコもNGです
利用者の中にはタバコの臭いが苦手な人がいます。タバコの臭いは車内に残りがちなので、ルールとして喫煙NGとなっています。喫煙vs非喫煙でメリット・デメリットに大きく分かれるポイントですね。車内では喫煙は不可ですが、車外なら喫煙することは可能です。喫煙者がカーシェアリングを利用する場合、適度に休憩を入れて車外で喫煙する機会をつくることをおすすめします。
カーシェアリング利用の流れ・使いこなしのヒント
カーシェアリング会社ごとに違いはありますが、ここでは一般的な利用の流れをまとめてみました。カーシェアリングをより便利に使うヒントも合わせて参考にしてみてください。
(初めて利用する)
1.ステーションを探す
利用したい場所の付近にあるカーシェアリングのステーションを探します。
検索でキーワード「近くのカーシェアリング」等で探してみてください。
(ヒント)
近くに利用できるステーションが複数あるなら、一つに絞らず各サービスの利用を検討しましょう。予約状況に合わせて使い分ければ、予約が取りやすくなるというメリットがあります。
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2.会員登録する
通常、日本の運転免許証(デジタル画像)、クレジットカード、携帯電話が必要になるので用意しておきます。
(ヒント)
会員登録する際は初期費用の有無、月料金の有無、料金設定、保険等の確認をしましょう。
利用プランには月会費が掛かる・掛からないサービスがあります。月会費が掛かるサービスは利用料金が低い傾向があるので、月会費があるプランをメインに使用し、掛からない方をサブとして利用する、というのがおすすめです。
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3.登録の審査
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4.審査に通れば登録完了です。
(利用方法)
1.予約する
サービス会社の予約サイト/アプリを使ってクルマを検索します。
使用開始・返却の日時を指定して予約します。
(ヒント)
カーシェアリング・サービスでは時間内に必ずクルマを返却しなければなりません。しかし、渋滞などを見越して余分に予約し、その分の料金も支払うとなると嫌なものがあります。おすすめは実際に使った時間だけの利用料金を支払えばよいサービス・プランを利用し、予定している利用時間よりも長めに予約することです。例えば、15分・30分ほど長めに予約しておけば、不測の出来事で返却が遅れても次の利用者に迷惑はかかりません。予定通り返却できたなら使用した時間分だけ料金を支払えばOKです。
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2.予約したステーションに行き、クルマを解錠する。
解錠には付与された会員カード、携帯電話等を使います。
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3.クルマを使用する
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(使用後)
4.クルマを元のステーションに戻す
解錠の時に使った会員カードまたは携帯電話で施錠します。
(ヒント)
次の利用者のためにゴミを持ち帰って車内をキレイに保ちましょう。お互いが気を配ることで自分が使う時も快適に利用できます。
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5.決済
クレジットカード決済またはICカード(Suica, PASMO等)で使用料金を支払います。
インフォメーション:主要カーシェアリング会社
careco
https://www.careco.jp/
Times car タイムズカー
https://share.timescar.jp/