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ビルの窓に貼られた赤い三角マークは? | 日本の建築ルール

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Category : 日本緊急時には

街中で建物をふと見上げた時、窓にある赤い三角のマークに気づいたことはありませんか?そのマークの正体は「消防隊進入口マーク」です。火災などの災害が発生した際に、救助隊が窓を破って建物内に進入する入り口を示しています。消防隊進入口マークは一定の条件に準じて設置が義務付けられており、事務所や住宅といった使用目的に関わらず建物の構造次第で必要となります。物件オーナー・テナントのいずれの立場でも法令順守のために知っておきたい表示です。

消防隊進入口マーク

消防隊進入口マークが貼ってある窓はFire Brigade Entrance、すなわち、はしご車から救助隊が建物に入る進入口を意味します。マークの形は一辺が20センチメートルの正三角形です。通常、消防隊進入口マークは外側が赤色、内側(室内側)は白地に文字の表示、という仕様になっており、緊急時に進入可能な窓に貼られています。

表示が必要となる建物のタイプと条件

消防隊進入口の設置が必要となる建物の諸条件は、建築基準法施行令第126条の6により定められています。条件の対象となるのは、バルコニーや幅の広い窓が無い3階以上の建築物で、高さが31メートル以下の建物が該当します。これは、はしご車が届く高さが31mまでであり、その範囲内で救急隊が建物内に進入できる場所を確保するための条件です。災害発生時にはしご車が近くまで到達できるよう、消防隊進入口は幅4メートル以上の道路に面した窓に設置することになっています。事務所・住宅・工場・店舗など、いずれの用途でも同条件下で必要です。しかし、非常用エレベーターが設置されている建物はマーク無しでも問題ありません。また、高さ31mを超える建築物は非常用エレベーターの設置が義務付けられているため、マーク貼り付け義務の適用外となります。

建物のオーナー・テナントが気を付けることは?

消防隊進入口マーク設置が義務付けられている建物の所有者および賃貸しているテナントには注意すべき点が幾つかあります。重要ポイントは、緊急時に救助隊が速やかに進入できるよう、消防隊進入口マークがある場所には物を置いてはいけないという点です。消防隊進入口マークのステッカーを剥がす、あるいは、貼り付ける窓を見栄え重視で勝手に変えるといった行為も不可です。尚、マークを貼り付ける窓の大きさには規定があり、幅は75センチメートル以上、高さは120センチメートル以上、床面から80㎝以下とされています。

マーク設置義務の有無を判断する際に留意したいのは階層の数え方です。日本ではグランドフロアは1階にあたります。3階の階層を2階と思い込んで消防隊進入口を設けずにいると法令違反になってしまいます。ファーストフロアは日本では1階(グランドフロア)という数え方は、友人等と待ち合わせ場所を決める際にも気を付けたいですね。

消防隊進入口マークを普段はあまり気に留めることはありませんが、一刻を争う災害時に重要な役割があることを念頭に、法令順守の観点と併せてその必要性を覚えておきたいところです。

 

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