ペットは飼い主にとって大切な家族のひとり。海外暮らしをする人にとっては、慣れない土地での不安を和らげ、心の支えになってくれる存在です。日本でペットと暮すにあたり、犬や猫が飼える賃貸物件を探して借りることが可能です。しかし、様々な条件があるため必ずしも許可されるものではないことを知っておく必要があります。日本でペットを飼う際の規制やマナーがあることも覚えておきたいものです。
「ペット可」の賃貸物件を探す際に気を付けたいこと
厚生労働省のデータによると、日本国内における犬の登録頭数は6,226,615匹(平成30年度)です。今では犬や猫を飼うことは広く一般的になっており、ペット所有者が賃貸住宅に住むというケースも増えています。ペット所有者が賃貸物件を探すにあたり、ペットの飼育を許可している「ペット可物件」を選ぶことになりますが、物件ごとに様々な条件が設けられている点に注意が必要です。特に犬を飼う場合は、犬種やサイズ等の条件があり、場合によっては相談した上で可否が決まることがあります。
賃貸物件でのペット受け入れの条件
ペット受け入れ可否の条件とは、例えば以下のとおりです。
犬と猫の飼育のみOK
ペットはあくまでも犬・猫のみがOKで、それ以外の動物は受け入れられないことが大半です。
犬の飼育のみOK
日本の場合、猫の飼育がダメな物件が多くあります。ネコは壁紙、床などを傷つけるという考え方があり、退去の費用がかさむ等の懸念がある様です。
ペットの飼育数による
ペット可の物件であっても、飼育数によっては不可の場合があるので要事前確認です。
賃貸物件探しでは、飼育数が2匹になると受け入れる物件数が大幅に限られてきます。
飼育する犬のサイズによる
トイプードルのような小型犬か、或いはドーベルマンのような大型犬かというように、サイズによる受け入れ可否です。中型犬(10kg以上)の飼育が可能な賃貸物件数は極めて少なめです。
犬種次第でOK
大型犬であっても性格が大人しく、吠えることが少ない犬種の犬は許可されることがあります。ラブラドールやゴールデン・リトリバーのように、穏やかな性格が認知されている犬種の犬は、比較的に受け入れられやすいといえそうです。
犬の飼い主が賃貸契約時に求められる条件
ペットを飼う借主には、通常の賃貸契約と異なる条件が設けられている事が多くあります。例えば、敷金の1ヶ月積み増しや、償却の形での敷金を必要とする等です。また、入居時に必要となる書類等があり、「鑑札」、「狂犬病予防注射済証」の提示がそれにあたります。
鑑札・狂犬病予防注射済証の入手について
狂犬病予防法より、生後91日以上の犬を飼い始めたら、飼い主は30日以内に犬の所在地の自治体へ登録を申請し、鑑札を交付してもらうことになっています。また、同法令により、生後91日以上の犬は、毎年1回狂犬病予防注射を受けることが定められています。予防注射は動物病院もしくは自治体で受けることができます。
動物病院で予防注射を受ける場合、「狂犬病予防注射済証」を発行してもらえるので、賃貸契約時に必要とする人はそのコピーを提出用に使います。そして、自治体の事務所へ原本を持参して、狂犬病予防注射済票を交付してもらいます。“注射済票”とは犬の首輪に装着するプレートです。
自治体による予防注射は集合注射会場にて通常4月~6月に実施されます。集合注射会では予防注射と注射済票の交付が同時に行われます。自治体では期間限定の実施となり、基本的に日本語での対応になるので、外国人居住者の場合は動物病院で注射を受ける方が無難です。
尚、費用の目安は、自治体への犬の登録費用が3000円、注射済票交付手数料は 550円です。狂犬病予防注射は病院や自治体によって異なりますが、目安は3200円です。(2020年3月現在)
ペットとの暮らしで知っておきたいこと
ペットを連れて新たな生活をはじめる際、隣近所への配慮は気に留めておきたいものです。
ペット可の集合住宅であっても全ての入居者がペットを飼っているというわけではなく、ペットに対する考え方には各々違いがあります。引越しの挨拶をする時にはペットがいることを伝えておき、トラブルが起きぬように日頃のコミュニケーションを心がけるのがポイントです。
さらに、覚えておきたいのが日本での規則やマナーです。犬との散歩では、必ず首輪を装着させてリード紐でつなぎます。散歩の途中でリード紐を外すことはできません。また、ペットの汚物処理の袋やペットボトルの水も持参します。
犬との散歩は運動不足やストレス解消に最適であり、散歩コースで出会うペット仲間との交流も楽しいひと時です。マナーを知って周囲との要らぬトラブルを避けることにより、ペットと暮らす穏やかな生活を楽しみたいですね。